A.離婚に関する取り決めは大きく分けて、
①離婚届けを提出する前に決める必要があるものと
②離婚が正式に受理されてからでも決めることができるものに分かれます。
前者は届出る離婚届に記載しなくては受理されないもので、
後者は離婚届には記載欄は有りません。
① 離婚届け提出前に決めるものとして
・離婚後の姓(苗字)をどうするか。
(妻は旧姓に戻るのが原則ですが、離婚後3カ月以内に手続きをすれば、夫の姓も使用出来ます。その際、夫の許可は不要です。)
・未成年の子がいる場合、どちらが親権者になるか。
② 離婚後でもかまわないが、決めておくべきこととして
・慰謝料
・財産分与
・養育費
・年金分割
・子どもとの面接交渉権
などがあります。
これらは離婚後にお互いの事情を考え話し合うことも出来ますが、慰謝料は離婚後3年で時効となり、財産分与は2年が過ぎると、妻は夫に要求することができなくなるなどの期限があるので要注意です。また、お互いに新しい生活が始まってしまいなかなか話がまとまらないので、出来れば離婚前にある程度の合意を得ることが必要となります。
特に養育費は基本的には子どもが成人になるまでの長い期間の取り決めとなりますので口約束だけで終わらせず、必ず書面を残すようにして下さい。
① ②が夫婦間の話し合いで決まらなければ、家庭裁判所での手続きとなります。
A.まず、離婚届けを勝手に記入し、印鑑も使用したことで刑法159条有印私文書偽造罪、その離婚届けを提出したことで刑法161条偽造私文書等行使罪、そしてその届けによって離婚届けが正式に受理されてしまったことで刑法157条の公正証書原本不実記載罪が成立します。刑事罰ですので懲役刑や罰金刑を受けることがあります。また相手の同意なく戸籍を勝手に変更する行為は、不法行為に基づく民法上の損害賠償請求の対象にもなります。身近な元夫婦とはいえ重大な犯罪ですので絶対に行わないで下さい。離婚届を勝手に出されてしまった相手が出来ることは、家庭裁判所に協議離婚無効の訴えです。離婚無効の訴えと同時に、こちらから離婚訴訟を別に提起し、親権者や慰謝料その他の事項についての判決を求めることが出来ます。
A.養育費に関して、金額、支払い期間(大学卒業までなど)や支払い方法を決めておきます。決めた内容は公正証書にしておきます。その際の公正証書は強制執行認諾約款付きにしておくと養育費の支払いが滞った場合に裁判を経ることなく強制執行ができます。
差し押さえる財産もなく、支払義務者が行方不明になる事件では、住民票の追跡や仕事関係の調査により、住所や勤務先を探すことが必要になります。勤務先が判明すれば、給与等について継続的な強制執行が出来ます。
また、相手の性格や仕事などを考え、長期に渡り毎月受け取るのではなく、多少総額が数無くなっても確実に一時金がもらえる方法も要望すべき点です。
ちなみに養育費をもらっている元妻が再婚をしても元夫からもらう権利は継続します。
A. 自分以外の人が借りたお金については、自分が連帯債務者や保証人になっている場合と借金をした人を相続した場合以外は、支払う義務はありません。貸金業者から請求されたとしても,本人以外の家族の方が返済する必要はありません。
貸金業法21条1項7号には貸金業者が本人以外の者に請求することを禁止しており,貸金業者がそれに違反した場合には刑事罰が科せられます。
ただし借金をしたご家族の財産を相続した場合は支払う義務があります。ご家族の債務を相続しない為には家庭裁判所に負債を相続しない為の『限定承認』の手続きを取る必要があります。